自律神経失調症では、動悸やめまい、不眠、不安など、現れている症状によって使用される薬が異なります。
そのため、ランキング上位の薬がすべての方に最も適しているわけではなく、症状や心身の状態に合わせて治療を選ぶことが大切です。
また、同じ自律神経失調症でも、身体症状が強い場合と不安や気分の落ち込みなどの精神的な症状が目立つ場合では、使用される医薬品の種類が異なることがあります。
本記事では、処方量を基準とした自律神経失調症の治療薬ランキングをはじめ、使用される薬の種類や症状に応じた選ばれ方について解説します。
自律神経失調症で使われる薬ランキング
自律神経失調症で使われる治療薬には複数の種類がありますが、処方量を基準にしたランキングでは、グランダキシン錠やトフィソパム錠などが上位に挙げられています。
| ランキング | 1位:グランダキシン錠 | 2位:トフィソパム錠 | 3位:デパス錠 |
|---|---|---|---|
| 有効成分 | トフィソパム | トフィソパム | エチゾラム |
| 種類 | 自律神経調整剤 | 自律神経調整剤 | 精神安定剤 |
| 特徴 | 先発医薬品で、自律神経失調症に伴う動悸や発汗、頭痛・頭重、倦怠感などに用いられる | グランダキシンと同じ有効成分を含む後発医薬品 | 神経症や心身症に伴う不安や緊張などの症状に用いられる |
グランダキシンとトフィソパム錠は、いずれも有効成分としてトフィソパムを含み、自律神経失調症に伴う頭痛・頭重、倦怠感、動悸、発汗などが適応に含まれています。
一方、デパス錠は有効成分エチゾラムを含む精神安定剤で、神経症や心身症に伴う不安・緊張などの症状に使用される医療用医薬品です。
なお、この順位は治療薬の効き目や強さを比較したものではなく、処方量を基準としたランキングとなります。
自律神経失調症は現れる症状に個人差があるため、順位だけで使用する治療薬を決めるのではなく、症状や体調に応じて医師が適した医薬品を選ぶことが大切です。
グランダキシンとトフィソパム錠は何が違う?
グランダキシンとトフィソパム錠の主な違いは、先発医薬品か後発医薬品(ジェネリック医薬品)かという点です。
グランダキシンは有効成分トフィソパムを含む先発医薬品で、一般名はトフィソパムとされています。
一方、トフィソパム錠はグランダキシンと同じ有効成分を含む後発医薬品で、先発医薬品の特許期間終了後に製造・販売されている医療用医薬品です。
そのため、ランキングにグランダキシンとトフィソパム錠がそれぞれ掲載されていても、まったく異なる成分の治療薬が並んでいるわけではありません。
同じトフィソパムを含む医薬品でも製品名や製造販売元などが異なるため、それぞれ別の医薬品として集計され、ランキング上位に並ぶことがあります。
自律神経失調症ではどのような薬が使われる?
自律神経失調症では、ひとつの治療薬だけを使用するのではなく、現れている症状や心身の状態に合わせて治療薬が選ばれます。
たとえば、動悸や発汗などの身体症状が目立つ場合と、不安や気分の落ち込み、不眠が強い場合では、治療に用いられる医薬品の種類が異なります。
また、複数の症状が同時に現れている場合には症状に合わせて治療方法を組み合わせることもあるでしょう。
ここからは、自律神経失調症で使用される主な治療薬について、それぞれどのような役割を持つのか順番に確認していきます。
自律神経調整薬
自律神経調整薬は、自律神経のバランスが乱れることで現れる身体症状に対して使用される治療薬です。
代表的な医薬品には「トフィソパム」があり、自律神経失調症に伴う心悸亢進(動悸)、発汗、頭痛・頭重、倦怠感などが効能・効果に含まれています。
トフィソパムは、交感神経と副交感神経の緊張の偏りを整える作用を持つため、自律神経の乱れによる複数の身体症状がみられる場合に用いられます。
ただし、同じ自律神経失調症でも症状の現れ方は方によって異なるため、治療薬は症状や体調を確認したうえで選ぶことが大切です。
国内のトフィソパム錠は処方箋医薬品のため、通常は医療機関を受診して医師の処方を受ける必要があります。
一方、海外で流通しているトフィソパム製剤は、自己使用を目的とする場合に限り個人輸入で入手することが可能です。

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抗うつ・抗不安薬
抗不安薬
抗不安薬は、不安や緊張などの精神的な症状が強く現れている場合に使用されることがある治療薬です。
自律神経失調症では、身体の不調だけでなく不安感や落ち着かなさを伴うことがあり、こうした症状の程度を確認しながら治療に取り入れられます。
ただし、抗不安薬には複数の種類があり、症状や体調によって適した医薬品が異なるため、医師の診察を受けたうえで使用することが大切でしょう。
緊張が強い場合に使われる治療薬について詳しく知りたい方は、緊張しない薬に関するコラムも参考にしてください。
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抗うつ薬
抗うつ薬は、気分の落ち込みや強い不安などの精神的な症状を伴う場合に、状態に応じて使用される治療薬です。
自律神経失調症では心身の不調が重なることもあるため、精神面の症状が生活に影響している場合には、医師が症状の程度を確認しながら治療に取り入れます。
ただし、抗うつ薬にはさまざまな種類があり、症状や体調によって適した治療薬が異なるため、自己判断で使用せず医師の診察を受けることが大切です。
抗うつ薬や抗不安薬の種類について詳しく知りたい方は、抗うつ・抗不安薬カテゴリも確認してください。
睡眠薬
睡眠薬は、寝つきにくい、夜中に目が覚めるなど、不眠の症状が強く現れている場合に使用される治療薬です。
自律神経失調症では睡眠の乱れを伴うこともあり、不眠によって日中の倦怠感や集中力の低下が続く場合には、症状に応じて治療が検討されます。
ただし、不眠の状態や体調によって適した治療方法は異なるため、自己判断で医薬品を使用せず、医師に相談することが大切でしょう。
不眠に使用される治療薬について詳しく知りたい方は、睡眠薬カテゴリも確認してください。
その他の症状に応じた薬
自律神経失調症では、頭痛やめまい、胃痛、下痢などの症状に対して、それぞれの不調を和らげる医薬品が使用されることもあります。
自律神経の乱れに伴う症状は幅広く、動悸や発汗といった症状だけでなく、消化器や全身の不調として現れることもあるためです。
そのため、頭痛には頭痛を抑える治療薬、胃腸症状には消化器症状に対応した医薬品など、現れている症状に合わせた対症療法が検討されます。
ただし、同じような症状が別の病気によって生じていることもあるため、症状が長く続く場合や強く現れている場合は、医療機関で原因を確認することが大切です。
自律神経失調症の薬は症状に応じて選ばれる
自律神経失調症の治療では、診断名だけで使用する医薬品を決めるのではなく、どの症状が強く現れているかを確認しながら治療方針を考えます。
ここでは、症状ごとにどのような治療が検討されるのかを整理していきます。
| 主な症状 | 検討される治療薬 |
|---|---|
| 動悸・発汗・倦怠感など | 自律神経調整薬や症状に応じた医薬品 |
| 不安・緊張・気分の落ち込み | 抗不安薬・抗うつ薬 |
| 不眠 | 睡眠薬 |
| 頭痛・胃腸症状など | 各症状に対応する医薬品 |
ただし、同じ症状でも原因や重症度によって必要な治療は異なるため、表だけで使用する医薬品を決めることはできません。
ここからは、身体症状や精神的な症状、不眠が目立つ場合に、どのような治療方向が考えられるのかを順番に確認していきます。
身体症状が中心の場合
動悸や発汗、倦怠感、頭痛、胃腸症状など身体の不調が中心に現れている場合は、症状の内容に応じて「自律神経調整薬」や「対症療法」が検討されます。
たとえば、自律神経の乱れに伴う複数の身体症状には自律神経調整薬が用いられ、頭痛や胃腸症状が強い場合には、それぞれの症状を和らげる医薬品を組み合わせることもあります。
一方で、動悸やめまい、強い倦怠感などは、自律神経失調症以外の病気でも現れる症状です。
そのため、自律神経の乱れだと自己判断して医薬品を使用するのではなく、症状が続く場合や日常生活に支障が出ている場合は、医療機関で原因を確認することが大切です。
不安や気分の落ち込みが強い場合
不安や緊張、気分の落ち込みなどが強く現れている場合は、症状や心身の状態に応じて「抗不安薬」や「抗うつ薬」による治療が検討されます。
精神的な不調が続くと日常生活や睡眠にも影響しやすいため、どの症状がどの程度続いているのかを確認しながら治療方針を決めることが重要です。
また、不安や抑うつの程度によって必要な治療は異なるため、自己判断で医薬品を選ぶのではなく、医師の診察を受けたうえで適した治療を進めましょう。
抗うつ薬や抗不安薬についてさらに詳しく知りたい方は、抗うつ・抗不安薬カテゴリも確認してください。
不眠が強い場合
寝つきにくい、夜中に何度も目が覚めるなど、不眠の症状が強い場合は、睡眠の状態に合わせた治療が検討されます。
不眠が続くと日中の倦怠感や集中力の低下につながるため、どのような眠りの問題が起きているのかを確認することが重要です。
また、同じ不眠でも症状の現れ方や生活への影響は異なるため、自己判断で医薬品を選ばず、医師と相談しながら治療方法を決めましょう。
自律神経失調症の薬は市販でも購入できる?
自律神経失調症に用いられる医療用医薬品の多くは、医師の診察を受けて処方されるため市販では購入できません。
一方、市販薬では、頭痛や胃腸症状、不眠など現れている症状に合わせた医薬品や、心身の状態や体質に応じた漢方薬を使用する方法があります。
ただし、市販薬は自律神経失調症そのものを診断して治療するものではなく、症状を一時的に和らげる目的で使用されるものが中心です。
そのため、症状が長く続いている場合や複数の不調が重なっている場合は、市販薬だけで対処を続けず、医療機関を受診して原因を確認しましょう。
ここからは、市販薬で症状に対処する場合と漢方薬が使われる場合について、それぞれ確認していきます。
市販薬で症状に対処する場合
頭痛や胃痛、下痢などの症状が現れている場合は、それぞれの不調に対応した市販の医薬品で症状を和らげる方法があります。
たとえば、頭痛には鎮痛成分を含む医薬品、胃の不快感には胃腸症状に対応した医薬品など、現在困っている症状に合わせて選ぶことが基本です。
ただし、市販の医薬品は現れている症状への対処を目的とするものであり、自律神経失調症そのものを診断したり、原因を取り除いたりするものではありません。
また、動悸やめまい、倦怠感などは別の病気でもみられるため、市販の医薬品だけで長期間対処を続けることは避けましょう。
症状が改善しない場合や繰り返し現れる場合、日常生活に支障が出ている場合は、医療機関を受診して原因を確認することが大切です。
漢方薬が使われることもある
自律神経の乱れに伴う不調では、心身の状態や体質、現れている症状に応じて漢方製剤が用いられることもあります。
漢方製剤は特定の症状だけを見るのではなく、冷えや疲れやすさ、胃腸の状態、精神的な不調なども含めて、その方の状態に合わせて選ばれることが特徴です。
また、医療機関で処方される漢方製剤だけでなく、ドラッグストアなどで購入できる一般用漢方製剤も複数あります。
ただし、同じような症状でも適した漢方製剤は体質や状態によって異なるため、症状だけを見て自己判断で選ぶことは避けてください。
自分に合う漢方製剤が分からない場合や不調が長く続いている場合は、医師や薬剤師に相談したうえで使用するようにしましょう。
自律神経失調症の薬を使用するときの注意点
自律神経失調症の治療で医薬品を使用する際は、医師から指示された用法・用量を守り、自己判断で調整しないことが重要です。
とくに、症状が改善しないからといって服用量を増やしたり、反対に症状が落ち着いたからと減らしたりせず、変更したい場合は医師へ相談しましょう。
主な注意点は以下の3つです。
・自己判断で服用量や回数を増減しない
・症状が改善しても急に服用を中止しない
・副作用や他の医薬品との飲み合わせに注意する
治療薬の種類によっては、急に服用を中止すると体調に変化が現れることがあるため、服用をやめる場合にも医師の指示に従う必要があります。
また、治療中に新しく別の医薬品や市販の医薬品を使用する場合は、飲み合わせによって作用が強くなったり、副作用が現れやすくなったりすることがあります。
服用後に気になる症状や体調の変化がみられた場合は、そのまま使用を続けず、医師や薬剤師に相談してください。
安全に治療を続けるためにも、処方内容を守りながら体調の変化を確認することが大切です。
自律神経失調症の薬に関するよくある質問
自律神経失調症の治療薬については、服用する期間や受診する診療科など、治療を始める前に気になる点も多いでしょう。
ここでは、自律神経失調症の治療薬についてよく寄せられる疑問を取り上げ確認していきます。
自律神経失調症に一番効く薬はありますか?
自律神経失調症の薬はどのくらいで効きますか?
自律神経失調症の薬はいつまで飲み続けますか?
薬を飲んでも症状が改善しない場合はどうすればいいですか?
ヘルペスの薬がないときにオロナインで代用できる?
参考サイト
当ページの情報は以下の参考サイトの情報を元に掲載しています。
- 参考サイト(外部リンク)
-
・ 厚生労働省「こころの耳」|自律神経失調症
・ 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)|グランダキシン錠50
・社会福祉法人 恩賜財団 済生会|自律神経失調症


